本物の落雷は、雲から地面まで一息に走るのではなく、階段状先駆という短い一歩を何百回も積み重ねて降りてきます。一歩ごとに、どちらへ伸びると電気が通りやすいかを試している。この作品の稲妻も同じことをしています。一歩ごとに五方向を試し、目標への向きと、カメラがいま見ているその場所の輪郭の強さで重みをつけて進路を決める。だから稲妻はあなたの肩や腕の線に吸い寄せられ、輪郭を伝って降りてきます。そして雷鳴は光と同時には届きません。距離のぶんだけ遅れて鳴ります。