平調子
壱
蟻 0 道 0 蜜 0
OTO-II / ARINOMICHI蟻の 道
蜜へ伸びる道が、弦を弾く

紙の上に蟻がいます。
人差し指の先から蜜が落ちるので、蟻はそこへ歩いていき、
帰り道に朱の跡を置きます。跡の濃いところを蟻はまた通るので、
あなたが手を動かしたところに、道がひとりでに育ちます。

指を立てる指先が蜜になります。動かせば道が伸びます
十三の糸道を渡る蟻が糸をまたぐたび一音。高いほど高い音
手を握る蜜が止まります。道は二十秒ほどで消えます
両手を握る一斉。巣から波が走り、十三の糸が鳴きのぼります